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豆知識 甲状腺疾患とは 生活習慣病を知ろう
 

「生活習慣病予備軍と言われたけど、病気じゃないから大丈夫?」
「健診の結果が気になるけど、元気だから大丈夫?」

健康診断や人間ドッグで、血圧、コレステロール値、血糖値、HbA1c値、血中脂質値などの異常を指摘された方は、早めに医療機関を受診しましょう。

生活習慣病とは、日常の生活習慣によって引き起こされる病気の総称です。
主なものに、糖尿病(U型)、高脂血症などの脂質異常症、高血圧症、肥満症などがあります。

食生活の乱れ、運動不足、過労、ストレスなどにより発症し、進行すると合併症によって生活の質(QOL)の低下や突然死が引き起こされます。

初期の段階では自覚症状に乏しいため、健診などで異常を指摘されても受診を先延ばしにしている患者さんや、そもそも検査を受ける機会がなく疾患に気づいていない患者さんもあります。

地域や職場の健康診断を積極的に活用し、異常を見逃さないようにしましょう。そして、異常を指摘されたら速やかに専門医療機関を受診することで、病気の進行をコントロールして合併症を防ぐことが大切です。

 

糖尿病は、体内ホルモンである「インスリン」の働きが鈍くなることにより、高血糖(血液中のブドウ糖の量が多い状態)が続いてしまう疾患です。初期の段階では、自覚症状はほとんどありません。

インスリンは、すい臓から分泌され、血糖値(血液中のブドウ糖の量)を一定に保ち、エネルギー源としてブドウ糖を筋肉に取り入れる役割を果たします。

しかし、
  • インスリンがすい臓から分泌されない
  • インスリンの量が不足している
  • インスリンが十分作用しない

などの原因で血液中のブドウ糖が筋肉に取り入れられなくなると、血液中のブドウ糖の量が多い状態が続き、高血糖となります。

このような高血糖を放置すると生活の質(QOL)を著しく低下させる合併症が現れます。糖尿病網膜症、糖尿病腎症、動脈硬化などの合併症を発症すると、失明したり、腎不全により人工透析が必要になったり、組織が壊死して脚を切断しなくてはならなくなります。また、感染症が重篤化しやすいこと、癌や認知症の罹患率が高くなることも指摘されています。

「少し血糖値が高いだけだ」と軽く考えることなく、服薬治療や食事療法・運動療法による生活習慣の改善に取り組むことで合併症を予防しましょう。

※ 厚生労働省による令和元年「国民健康・栄養調査」では、男性の19.7%、女性の10.8%で糖尿病が強く疑われるとされています。また年齢が高くなるほどその割合が高くなり、70歳以上では男性26.4%、女性19.6%で糖尿病が強く疑われると報告されています。

 

※「T型糖尿病」は生活習慣病ではありません。

小児から成人まで年代・性別を問わず発症する原因不明の疾患です。
 

脂質異常症は、血液中の脂質が多過ぎたり少な過ぎたりする疾患です。悪玉コレステロール(LDLコレステロール)や中性脂肪(トリグリセライド)が増えている状態と、善玉コレステロール(HDLコレステロール)が減っている状態が含まれます。初期の段階では、自覚症状はまったくありません。

しかし、胸や脚の痛み、物を落とすなどの症状を自覚する時にはすでに動脈硬化が進んでおり、狭心症、心筋梗塞、下肢の閉塞性動脈硬化症、脳梗塞などの重篤な合併症を発症します。
脂質異常症がサイレントキラー(沈黙の殺人者)と呼ばれる理由です。

検査などで脂質異常症を指摘された場合は、自覚症状がなくても速やかに服薬治療を開始しましょう。また食事療法・運動療法による生活習慣の改善にも取り組んで、合併症を予防することが大切です。


※近年、悪玉コレステロールや中性脂肪の値が高過ぎる高脂血症だけでなく、善玉コレステロール値が低過ぎる低HDLコレステロール血症も動脈硬化を促進することが明らかになりました。現在では、これらを総称して脂質異常症と呼びます。
 

高血圧症は、動脈に常に高い圧力がかかり続けてしまう疾患です。自覚症状はほとんどありません。血管の壁には弾力がありますが、高血圧で張り詰め続けた血管の壁は、徐々に厚く硬くなっていきます。このように血管壁が厚く硬くなった状態を動脈硬化と呼びます。

高血圧症による動脈硬化は、失明につながる眼底出血や、脳出血、脳梗塞、心筋梗塞、大動脈瘤、腎硬化症など重篤な合併症を引き起こします。
そのため、高血圧症もサイレントキラー(沈黙の殺人者)と呼ばれます。

すでに血圧が高いと指摘されている方は、服薬治療や食事療法・運動療法による生活習慣の改善に取り組むことで血圧を適正に保ち、合併症を予防することが大切です。また血圧に異常のない方も、日頃から塩分を控えた食生活と適度な運動を心がけ、血圧を正常に保つように努めましょう。

 

 

肥満症は、体脂肪が必要以上に蓄積された状態を指す疾患です。BMI(体重kg÷(身長m)2)が25以上で肥満と判定されますが、重量挙げの選手のように筋肉量が多い場合は、体重が多くても肥満症ではありません。逆に、体重が適正範囲内でも、体脂肪が多過ぎるなら肥満といえます。

肥満症の一つ、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)では、

  • 男性は腹囲 85p以上
  • 女性は腹囲 90p以上
が診断の目安となっており、おへその高さで腹囲を測ることで内臓脂肪の蓄積を判断しています。

「肥満は万病のもと」と言われるように、糖尿病、脂質異常症、高血圧症などの生活習慣病、膝関節症などの整形外科疾患、卵巣機能障害などの産婦人科疾患、睡眠時無呼吸症候群などの呼吸器科疾患など、様々な病が引き起されます。

肥満症は、体型などの美容の問題ではなく、医学的な減量が必要な疾患です。また無理なダイエットによって健康を損なうことを防ぐためにも、医療機関での食事療法・運動療法を通して生活習慣の改善に取り組みましょう。

 
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