糖尿病は、体内ホルモンである「インスリン」の働きが鈍くなることにより、高血糖(血液中のブドウ糖の量が多い状態)が続いてしまう疾患です。初期の段階では、自覚症状はほとんどありません。
インスリンは、すい臓から分泌され、血糖値(血液中のブドウ糖の量)を一定に保ち、エネルギー源としてブドウ糖を筋肉に取り入れる役割を果たします。
しかし、
- インスリンがすい臓から分泌されない
- インスリンの量が不足している
- インスリンが十分作用しない
などの原因で血液中のブドウ糖が筋肉に取り入れられなくなると、血液中のブドウ糖の量が多い状態が続き、高血糖となります。
このような高血糖を放置すると生活の質(QOL)を著しく低下させる合併症が現れます。糖尿病網膜症、糖尿病腎症、動脈硬化などの合併症を発症すると、失明したり、腎不全により人工透析が必要になったり、組織が壊死して脚を切断しなくてはならなくなります。また、感染症が重篤化しやすいこと、癌や認知症の罹患率が高くなることも指摘されています。
「少し血糖値が高いだけだ」と軽く考えることなく、服薬治療や食事療法・運動療法による生活習慣の改善に取り組むことで合併症を予防しましょう。
※ 厚生労働省による令和元年「国民健康・栄養調査」では、男性の19.7%、女性の10.8%で糖尿病が強く疑われるとされています。また年齢が高くなるほどその割合が高くなり、70歳以上では男性26.4%、女性19.6%で糖尿病が強く疑われると報告されています。 |