• 2025年5月9日

花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)

「生のトマトを食べると口の中がイガイガします。食物アレルギーでしょうか?」

その症状は「花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)」かもしれません。「口腔アレルギー症候群(OAS)」と呼ばれる食物アレルギーの一種で、花粉症の患者さんが生の野菜や果物を食べた直後から1時間以内に、かゆみや腫れといったアレルギー症状を口や喉などの口腔粘膜におこすものです。

花粉症の患者さんの免疫は、花粉症の原因となる物質「アレルゲン」を異物とみなして体から排除しようと反応しています。ところが、花粉症のアレルゲンとよく似た物質が野菜や果物に含まれていると、同じように過剰反応してしまいます。これを「交差反応(交差免疫)」と言います。

どの食べ物と交差反応をおこすかは、花粉症の原因となる植物によって違います。スギ花粉症の患者さんはとても多いため、スギ花粉と交差反応をおこすトマトやキウイを食べたときに違和感があるというお悩みをよく聞きます。まれに蕁麻疹や喘息などの症状に進行することもあるので原因となる食物は避けていただくのが良いでしょう。加熱した野菜や果物では症状が起きにくいため、十分に加熱調理したり、トマト缶やキウイジャムといった加工品を選んだりするのもおすすめです。

重篤な症状を引き起こす食物アレルギーとの区別が難しい食物もあります。気になる症状があるときには、お気軽に医師にご相談くださいね。

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