- 2025年4月22日
グレープフルーツとお薬の飲み合わせ
カルシウム拮抗薬などの医薬品とグレープフルーツジュースを同時に摂取すると、健康被害が引き起こされることが知られています。グレープフルーツなどの柑橘類に含まれる「フラノクマリン」という成分が薬の分解を阻害してしまい、薬が効きすぎたり、副作用があらわれやすくなったりするためです。めまいやふらつき、頭痛、顔のほてりといった症状で異変に気付かれる患者さんもいらっしゃいます。
グレープフルーツなどの柑橘類との飲み合わせに注意が必要な薬は、高血圧症にもちいられる降圧剤、高脂血症(高コレステロール血症)の治療薬、心不全や狭心症などの治療薬、不眠症にもちいられる睡眠薬、免疫抑制剤など多くあります。医師や薬剤師から「グレープフルーツジュースは飲まないでくださいね」と言われたら、どのように気を付けたら良いのか確認していきましょう。
- フラノクマリンと薬の相互作用は24時間から数日続くとされています。グレープフルーツジュースをコップ1杯飲むだけでも、薬への影響が12時間以上持続します。薬を服用している期間は常にフラノクマリンを含む食品を避ける必要があります。
- グレープフルーツ以外にも、フラノクマリンを含む柑橘類は多くあります。柑橘類を食べたいときには、温州みかんやデコポンがおすすめです。フラノクマリンは果肉や果汁よりも果皮に多く含まれており、例えば、レモンの果皮を原料とするレモンピールを大量に摂取するのはおすすめできませんが、揚げ物にレモン果汁を絞っていただくのは心配いりません。

- 加熱などの加工をしてもフラノクマリンの作用は残ります。グレープフルーツオイルで風味付けしたいときにはレモン果汁を代用したり、肉料理にマーマレードを使いたい場合にはリンゴジャムで代用したりすると良いです。また、大量の柑橘を絞ったり、濃縮還元したりして作られるジュースは、果肉の生食と比べてフラノクマリンを多く摂取しやすいと考えられます。少量でも、グレープフルーツジュースは飲まないでくださいね。