副腎皮質3層組織の外側にある球状層より分泌されるのがアルドステロンです。

鉱質ステロイド(ミネラルコルチコイド)の1つです。

ステロイドホルモンで、コレステロールを材料として副腎で合成されます。

腎臓に作用して、体内の塩分調節をしています。

アルドステロンが過剰に分泌されると、食事(NaCL)と水が体内に貯留し、高血圧と低K(カリウム)血症を来たします。この疾患が原発性アルドステロン症です。高血圧患者の5〜6%を占めると報告されていますが、実際には、それほど多く診断されておらず、本態性高血圧として治療を受けている患者様の中で、この病気を見逃されている可能性があります。

臨床的には、高血圧による自覚症状(頭重感、めまい、不眠等)と、低K血症による筋力低下、脱力を認めることがあります。特に低K血症は、降圧剤として利尿剤を服用している場合に、発症しやすいといわれています。

しかし、低K血症は、原発性アルドステロン症患者の3割にしか認めれらていません。そこで、この疾患を診断するためには、高血圧の方で血漿レニン活性および血漿アルドステロン濃度を測定する必要があります。血液検査にて、低レニン・高アルドステロン血症を認められたら、原発性アルドステロン症が強く疑われ、更に詳しい検査が必要となります。

次に、CT、MRIによる画像診断にて、副腎腫瘍(片側)が診断されれば、外科手術の適応となります。しかし、腫瘍の50%は、5mm以下と小さく、画像上検出不能のことが多く、さらに両側副腎の腫大する過形成も存在し、この様な時には、内科的に、降圧剤を服用し、血圧のコントロールと低K血症の是正を行い、経過を慎重に観察することとなります。

高血圧を指摘されている方、一度、主治医に相談してみて下さい。お待ちしています。

米田内科 院長  米田 正弘
新城市商工会会報(2004年3月)より